2021茨城県知事選挙
「いのち輝くいばらきの会」基本政策
1 みんなが安心して暮らせる茨城に
(1) 医療・福祉
① コロナ対策を抜本的に強化します。
○保健所職員の増員をすすめ、機能強化をはかります。また、今後の感染症流行にそなえ保健所の増設にも取り組みます。
○医師・看護師・介護職員の賃金引き上げ等、労働条件の改善に取り組み、大幅な増員をはかります。
○医療機関の減収を補塡し、医療崩壊を防ぎます。
○県民すべてのPCR検査を無料化し、無症状者からの感染拡大を抑えてコロナ感染ゼロを実現します。
○「コロナ失業」「コロナ廃業」などに対する支援策を強化します。
○新型コロナウイルス禍で仕送りやアルバイト収入が減って生活に困窮する学生が増えています。未来ある若者の学業継続のために無利子の貸付金等、県独自の緊急支援を行います。
② 公立・公的病院の統合再編やベッド削減をすすめる「地域医療構想」を見直し、地域の声を反映した医療体制にします。
③ 経済的理由により医療や介護を受けられない人のための支援制度を創設します。
④ 子どもの医療費を高校卒業まで完全無料化します。
⑤ 国保税・介護保険料の引下げのために、国に財政支援の強化を求めるとともに県の財政支援を強化させます。国保に傷病手当を創設します。
⑥ 障がい者・難病患者の福祉・教育・雇用の抜本的改善を推進します。
(2) 子育て・教育
① 公立・認可保育所の増設、保育士配置などの最低基準に県独自の上乗せをはかって、保育の質を確保し、待機児童問題を解消します。
② 保育所、学童保育、児童相談所、一時保護所等を充実させ、地域での子育て支援を拡充します。
③ 今すぐ茨城県内の小・中学校全学年の35人学級を実現します。また、高校の35 人学級をすすめます。さらに、小・中学校、高校で20人学級をめざします。
④ 「子どもの貧困」による教育・デジタル格差をなくし、保護者の教育費負担を軽減します。
⑤ 市町村と連携して学校給食の無料化をすすめます。
⑥ 身近にスポーツに親しめる環境づくりをすすめます。
⑦ 貧困により高校進学をあきらめることがないように、高校進学者対象に給付型奨学金制度を新設します。また、大学等進学のための県独自の給付型奨学金制度を新設します。
⑧ 特別支援学校の過大・過密、教室不足を改善するため、特別支援学校の1校あたりの生徒数等の設置基準を定め、特別支援学校の増築ではなく、各地域に小規模の特別支援学校を新設します。
⑨ 主権者教育を充実させ、個人として自立した市民、次の世代の民主主義を担える子どもたちを育てます。
⑩ 子どもの人権を侵害するような「校則の見直し」をすすめます。
(3) 貧困対策
① こどもの貧困の実態を調べ、改善目標を定めます。
② 市町村と連携し、全ての市町村に子ども食堂や無料塾を開設します。
③ シングルマザー等のひとり親家庭の実態を把握し、経済的支援を充実させます。
④ セーフティーネットとして、低家賃の公共住宅を増やします。
⑤ 県として、公立学校の女子トイレに生理用品を備え付けます。
(4) 自然災害対策
① 鬼怒川水害などの教訓を生かし、堤防整備など防災インフラを徹底的に整備します。
② ジェンダー視点で、安心・安全な防災避難所計画をすすめ、地域防災体制を整備します。
③ 農業従事者や小規模事業者に対する被災者支援を充実させます。
④ 感染症対策を充実させた避難所の整備を強化します。
2 くらし応援で雇用をふやし、地域を元気に
(1) 雇用をふやし働き方を改善する
① 人間らしく働き、人間らしく暮らせる収入を得られるよう、男女賃金格差をなくし、非正規雇用から正規雇用への転換、長時間労働の解消など県と市町村が模範を示し、企業への働きかけを強化します。
② 中小企業や小規模事業者への支援と併せて、最低賃金を全国一律制にして当面1,000円以上に引き上げ、1,500円をめざすことを茨城地方最低賃金審議会や茨城県、国に求めます。
③ 茨城労働局および市町村と連携して、「ブラック企業」の根絶に取り組みます。
④ 高校生や若者を対象に、労働基準法など労働者保護の法律や制度の啓発をはかります。
⑤ 障害者雇用の充実、保育や介護施設、訪問介護に従事する労働者の処遇改善をはかります。
(2) 地域経済の活性化をはかる
① 不公正な既得権益擁護の仕組み(汚職構造、天下り、利権)をなくし、県民の信頼と納得を第一にすすめます。
② ムダな大型開発をやめ、公共事業の重点を「生活密着型」に移し、雇用効果が大きい医療・福祉、教育、防災・エネルギー分野の公共部門を拡大します。
③ 公契約条例を制定して公共事業で働く労働者の賃金と地域を支えている中小零細企業の営業をまもります。
④ 「生活・福祉密着」「自然環境保全」「地域内経済循環」を重視して、産業おこしと雇用創出をします。
⑤ サービス残業・下請けいじめなど、職場や商取引での不公平な扱いや権利侵害をなくすことに力を入れます。大型店の無秩序な出店・退店を規制します。
⑥ 商工予算を大幅に増やし、中小零細企業への支援を抜本的に強化します。
⑦ 税金滞納者に対しては実態把握に努め、生活困窮者等に対しては生活再建支援と一体に対処します。当面、茨城租税債権管理機構の運用を停止します。
⑧ 消費税を当面5%に引き下げ、インボイス制の運用を止めます。
⑨ 森林を保全し、河川と海の自然環境をまもり、林業と漁業の振興をはかります。
⑩ 水門の柔軟運用などによって、霞ヶ浦の浄化と生態系の再生、漁業の振興をはかります。
⑪ 必要性がなく、那珂川の漁業を破壊するだけの霞ヶ浦導水事業を中止します。
⑫ 芸術と観光を結び、魅力ある文化先進県をめざします。
(3) 食と農の豊かな発展を
① 米価の安定策と困窮者支援を目的に、米を国や県が買い上げ、困窮者向けに提供する等食糧支援策を充実させます。
② 大幅に削られた農業予算をふやし、価格支援や所得支援をすすめます。
③ 家族農業を推進し、小規模農業者に対する支援を充実させます。
④ 企業による農業支配を許さず、多様性と農業従事者の生産基盤を守るため、「主要農産物種子法」の復活を国に求めるとともに、種苗の自家採種を農民の権利として確立させます。
⑤ 「戸別所得補償制度」の復活を国に求めます。
⑥ 学校給食に地元の安全な食材の利用を増やすなど、地産地消と食育を推進します。
⑦ 生産者や消費者による協同組合の自主的な発展を後押します。
⑧ 「食料主権」を尊重する国際的なルール作りと地域での実践をすすめます。
3 原発依存を脱し、自然エネルギーで雇用をつくる
(1) 原発からいのちを守る
① 2021年3月の水戸地裁東海第二原発差し止め判決を踏まえ、老朽化し被災した東海第二原発の再稼働には同意しないで、東海第二原発を廃炉にします。
② 福島原発事故の原因、健康と生活への影響、県内の放射能汚染状況を県民とともに徹底的に検証します。
③ 東海第二原発の廃炉作業中に、東海村を研究所と自然エネルギーを中心とした経済に転換し、雇用を維持、創出します。
(2) 原子力防災を見直す
① 県内(東海村、大洗町)にある、原発、再処理施設、研究用原子炉、核燃料工場等の原子力施設での事故による、最悪の事態を想定して、原子力災害対策計画及び実効性ある体制を作り直します。
② 新型コロナ等の感染症対策を加えた、災害発生時の避難方法、仮設住宅や避難者支援のあり方を見直します。
③ 福島原発事故後の甲状腺エコー検査、JCO臨界事故後の健康検査等を今後も継続的に行います。
④ 福島原発事故による汚染水は、事故で作られたものです。トリチウムだけでなく、処理しきれない放射性物質も入った汚染水の海洋放出は、風評被害ではなく、実害被害をもたらします。大型タンクの増設で陸上保管を続け、放射能の減衰を待つべきで安易な海洋放出に反対します。
(3) 省エネルギー・再生可能エネルギー先進県をめざす
① 建物断熱の徹底、廃熱の有効利用等、省エネルギーをすすめます。
② 太陽光発電や風力発電等の自然再生エネルギーの普及のための支援、ソーラーシェアリングの大幅拡大等をすすめます。
③ 一方で、無秩序な設置による環境破壊を防止するための発電施設の設置基準や環境アセスメントの実施を見直します。
④ CO2排出の多い石炭火発の早期廃止と、化石燃料使用の削減で、2030年CO2の50%削減を目指します。
4 憲法と住民自治をくらしに生かす社会の実現
(1) 憲法を県政のあらゆる分野に活かす
① 県民の個人の尊厳を無条件で尊重し、あらゆる人が安心してくらせる茨城県をめざします。
② 憲法が保障する「幸福を追求する権利」「健康で文化的な生活を営む権利」「教育を受ける権利」など基本的人権をくらしのすみずみに活かします。
③ 基本的人権を制限し“戦争ができる国”へと憲法を変える動きが強まっているなか、平和主義に徹し、9条改憲、軍事費の増大、軍事基地増強、米軍機訓練・常駐化に反対します。
④ 百里基地のオスプレイ訓練や日米共同訓練に反対します。
⑤ 日本政府に核兵器禁止条約の署名の批准をもとめます。
(2) 地方のことは住民の意思にもとづいて
① 日立市に計画されている産業廃棄物最終処分場の計画は、住民の反対の意見を踏まえ、撤回します。
② 国の言いなりではなく、茨城県のことは茨城県が主体的に決める地方自治を貫きます。
③ 情報開示を徹底し、県民の知恵を集めて、住民の意思にもとづいて決める住民自治を貫きます。
④ 茨城県の政治を県民の信頼と納得を第一にすすめます。
⑤ 国が急速にデジタル化を推進する中で、地方自治体として個人情報の保護につとめます。
5 ジェンダー平等に基づく誰もが尊重される社会の実現
① 根強い「性別役割分担意識」をなくし、あらゆる分野に残る男性優位を打破して女性の地位を向上させ、男女平等を実現させます。選択的夫婦別姓制度、女性差別撤廃条約選択議定書の調印などについても、政府のその実現を求めます。
② 「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」に基づき、地方議会でも議員間男女同数化を実現します。
③ 女性に対する雇用、昇進、賃金などにおける差別を撤廃します。政府・民間機関のいずれにおいても、責任あるポストに就く女性比率を2030年には50%にするとの目標を実現させます。
④ LGBTなど、性的少数者への差別解消を図り、多様な社会を実現します。
⑤ あらゆるジェンダー不平等・差別をなくし、だれもが自分らしく生きられる政策づくり、男女共同参画基本計画をすすめます。
⑥ コロナ禍で困窮する女性・ケア労働への支援金や女性支援策をすすめます。